ユダヤの知恵「タルムード」に学ぶ、“比べない心”の大切さ
■ 序章:犬に嫉妬したロバ

あるところに、一生懸命に働くロバがいました。
毎日、重たい荷物を背中にのせて、畑と市場を行ったり来たり。
汗をかき、足をすり減らしながら、人のために働いていました。
ある日、ロバはふと農家の前でのんびり座っている一匹の犬を見ました。
犬は吠えるだけで、エサをもらい、頭をなでてもらい、
しまいにはひざの上で昼寝までする始末。
「あの犬は働いてもいないのに、なんであんなに可愛がられてるんだ…」
「ぼくの方がずっと役に立ってるのに…」
ロバの心に、モヤモヤした気持ちが芽生えました。
■ 会話:ロバの不満と犬の答え

ロバはとうとう、犬に向かって言いました。
「お前はなんて楽な仕事なんだ!
吠えるだけでごはんをもらって、なでてもらって…ずるいよ!」
犬は、ちょっと驚いた顔をしました。
でも、にっこりと笑ってこう言ったのです。
「ぼくには、ぼくの役目がある。
君がいなければ、誰が荷物を運ぶの?
君の背中がなければ、農場は成り立たないよ」
「ぼくが夜に吠えるのは、家族を守るため。
君が朝から晩まで働くのは、人を支えるため。
役割がちがうだけ。比べるものじゃないよ」
■ 気づき
:ちがいは“価値のちがい”じゃない

ロバははっとしました。
自分は「比べる目」でしか相手を見ていなかったと気づいたのです。
「犬は犬として、ぼくにはできないことをしていた。
役割はちがう。でも、どちらも大切なんだ」
ロバは深くうなずいて、また畑へと歩き出しました。
その足取りは、今までよりもずっと軽くなっていました。
■ 親子で考えたい問いかけ
- 自分と友達の“ちがい”にイライラしたこと、ある?
- 「なんであの子ばっかり褒められるの?」と思ったこと、ある?
- その子にはその子の“役割”、自分には自分の“良さ”があるって思えるかな?
■ まとめ:子どもに伝えたいメッセージ
誰かと比べて落ち込むより、
自分の“役割”を大切にしてごらん。あの子は子は絵がうまい
あの子は字がうまい
じゃあ自分の得意は何もない?
そんなことないよ
あなたは誰よりも優しいかもしれないし
誰よりも気が付いて人を褒めれる能力があるかもしれない
人は人、自分は自分
もしあなたが親ならば我が子を人と比べるのではなく
我が子の良いところだけを褒めてあげて下さい。
それが子供の強みとなり
輝くダイヤモンドへと変身するのです。
我が子の可能性を伸ばすのも
挫く(くじく)のも親次第
子供は褒めて伸ばしましょう
それだけで、「君はもう誰かの“たからもの”なんだよ」という心が芽生えますから
■ 次回予告
次回は、「問題をちゃんと探す場所を見つけよう」という教訓を持つ「落とした指輪と明るい場所」のお話です。
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