車を所有している皆さん、購入費だけでなく、維持費も結構かかりますよね。
中でも、毎月または毎年支払う「自動車保険料」は、見直すことで大きな節約につながる可能性があります。
「なんとなく契約している」という方も多いかもしれませんが、実はその保険、本当に必要なものだけを選べていますか?
この記事では、自動車保険の種類から、不要な補償を見極めるポイントまで、賢い見直し術を徹底解説します。
自動車保険の種類を知ろう

まず、自動車保険には大きく分けて2種類あります。
1.自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)
強制加入の保険です。車を所有する全ての人が加入を義務付けられています。
どこで加入しても内容も値段も変わりません。
交通事故で相手を死亡させた場合に3,000万円、負傷させた場合に120万円まで補償されますが、これだけでは全く足りません。
2.任意保険
自賠責保険だけでは不足する部分を補うための民間の保険です。皆さんが一般的に「自動車保険」と呼んでいるのは、ほとんどがこの任意保険を指します。
任意保険はさらに以下の2種類に分けられます。
▪対人・対物賠償責任保険
事故で相手に怪我をさせたり死亡させたりした場合、または相手の車や物に損害を与えてしまった場合に、相手に対して支払う保険です。
絶対に加入すべき補償
対人・対物賠償責任保険
任意保険の中でも、対人・対物賠償責任保険は「絶対に」加入しておくべき補償です。
なぜなら、自賠責保険の補償額(死亡時3,000万円、障害時120万円)では、高額な賠償責任には全く対応できないからです。
過去には、死亡事故で5億円を超える判決が出たケースもあります。
そのため、対人・対物賠償責任保険は限度額「無制限」で加入しておくことを強くお勧めします。
▪車両保険
自分の車が事故で壊れた時の修理費用が出る保険です。
見直すべきポイント:運転者限定条件と年齢条件

対人・対物賠償責任保険の契約条件の中で、見直しの余地があるのが「運転者限定条件」と「年齢条件」です。
特に「年齢条件」は注意が必要です。
•年齢条件が適用される範囲は、契約者・配偶者・同居の親族のみです。友人や知人は適用外なので、友人が運転して事故を起こした場合でも、年齢条件に縛られず保険は適用されます。
•「35歳以上限定」などで契約している場合、30歳の友人が運転するからといって、無条件に「26歳以上」などに変更する必要はありません。不必要に適用範囲を広げると保険料が高くなるため、契約内容をよく確認しましょう。
ほとんど不要な補償:車両保険
多くの人が加入している車両保険ですが、実は「全く不要」と断言できるケースが多いです。
日本人の約4割が車両保険に加入していますが、これが保険料を高くする主な原因です。
車両保険が不要な理由

1.保険料が高くなる
車両保険を付けると、付けない場合と比べて年間約35,000円も保険料が高くなります。
2.等級制度がある
自動車保険には等級制度があり、事故を起こして保険を使うと等級が下がり、翌年からの保険料が上がってしまいます。これは火災保険にはないシステムです。
例えば、車のバンパー修理に5万円かかる場合、保険を使えば自己負担は減るかもしれませんが、翌年からの保険料が年間2万円上がると、3年間で6万円の追加負担となり、結果的に損をする可能性があります。
3.時価額での計算
車が盗難に遭ったり全損したりした場合でも、保険金は購入時の価格ではなく、事故発生時点での「時価額」で計算されます。さらに、業者用の安い価格で見積もられるため、購入価格の全額が出ることはまずありません。
4.他者の保険でカバーされる可能性
通常の事故の場合、相手側の保険から修理費用が支払われることもあります。
5.「低確率・大損失」ではない
保険は「起こる確率は低いが、起きたら人生が破綻するような大きな損失」に備えるべきものです。
車の修理費用は高額であっても、人生が破綻するほどの金額(数千万〜数億円)ではありません。
6.貯金で備えるべき
車両保険で毎月保険料を払う代わりに、修理費用を貯金で備えるのが正解です。
もし、車の修理費用すら貯金できないのであれば、そもそも高価な車に乗るべきではないという考え方もできます。
7.車は贅沢品
地方であっても車は平均月6.6万円かかり、家賃に匹敵する、あるいはそれ以上の支出となる「贅沢品」です。
もし本当に「生活必需品」と考えるなら、ローンの金利を払ってまで高い新車を買うのではなく、手の届く範囲の中古車を選び、車両保険を外してその分を貯金に回すべきです。
その他の特約や注意点

•弁護士特約:事故の際に弁護士費用をカバーしてくれる特約です。加入を検討する価値はあります。
•ファミリーバイク特約:原付を所有している場合に有効な特約です。
•人身傷害補償:自分の怪我や同乗者の怪我を補償するもので、対人賠償の中に含まれるケースが多く、別途加入する必要がない場合が多いです。
•自転車保険:自動車保険や火災保険の特約として付けられることがあります。ただし、クレジットカードの付帯保険など、重複して加入していないか確認しましょう。
•JAF(日本自動車連盟):これも「保険」の一種であり、バッテリー上がりやレッカー移動など、発生しても人生が破綻するほどの「大損失」には当たりません。多くの場合、自動車保険に付帯しているロードサービスで十分対応可能です。
賢い自動車保険の見直し方

1.毎年「一括見積もりサイト」で比較する。
保険会社によって保険料は大きく変わるため、毎年見直すことで安くなるパターンが多いです。
2.ネット型保険も検討する
価格コムの満足度ランキングでもネット型保険が上位にランクインしており、対応が良い会社も多くあります。
3.「保険料」と「補償内容」を重視する
アフターフォローを重視する人は少ないため、同じ補償内容であれば保険料が安いものを選びましょう。
4.不必要な特約は外す
特に車両保険や新車特約は不要な場合が多いです。
まとめ

自動車保険は、万が一の大きなリスクに備えるための大切な契約です。しかし、すべての補償が必要なわけではありません。
•対人・対物賠償責任保険は「無制限」で必須!
•車両保険は多くの場合不要! 代わりに貯金で備えよう。
•等級が下がるため、軽微な事故で車両保険を使うのは損!
•毎年、一括見積もりサイトで比較して、最も安く必要な補償を受けられる会社を選びましょう。
この見直しで、あなたの車の維持費が大きく削減され、その分を貯蓄や投資に回せるようになります。
ぜひ、ご自身の自動車保険の契約内容を今一度見直してみてください。
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