満たされているのに、なぜ社会は壊れてしまったの?

「ちゃんと食べられて、
危険もなくて、
困ることが何もない世界。」
それなのに、
その社会は静かに終わってしまいました。
今回は、そんな少し不思議で、
どこか私たちの暮らしにも重なる
ネズミの楽園実験のお話です。
ネズミの楽園実験ってなに?
この実験を行ったのは、
動物行動学者の
ジョン・B・カルフーン さん。
この人は、ネズミにとって
「これ以上ないくらい理想的な環境」を用意しました。
用意された環境
- 食べ物はいつでもたっぷり
- 水も無限
- 天敵はいない
- 病気の心配もほとんどなし
- 清潔で安全な住みか
一見すると、
「これなら幸せに暮らせそう」
と思いますよね。
はじめは、うまくいっていた
実験の初めのころ、
ネズミたちはとても順調でした。
- 子どもも増え
- 親もきちんと育て
- 群れの中の関係もうまく回っていた
「やっぱり環境って大事なんだなぁ」
そう感じさせるスタートでした。
しかし
少しずつ、何かが変わりはじめます
ところが、数が増えていくにつれて
少しずつ、様子が変わっていきます。
- ケンカが増える
- 子育てをしなくなる親が出てくる
- 仲間と関わらず、ひとりで過ごすネズミが増える
不思議なのは、
環境は何も悪くなっていない ということ。
困る理由が見当たらないのに、
社会の中身だけが、崩れていったのです。
「何もしない」ネズミたちの登場
実験の後半、とても象徴的なネズミたちが現れました。
「ビューティフル・ワンズ(美しい者たち)」
と呼ばれた存在です。
- ケンカをしない
- 繁殖しない
- 子育てもしない
- ただ毛づくろいをして過ごす
傷もなく、争いもなく、
一見とても穏やかです。
でも彼らは、
社会にも未来にも関わらなくなっていました。
(ん?なんだか人間世界でも聞いたことがあるような・・・?)
楽園の終わり
やがて、
- 新しい命は生まれなくなり
- 社会的な関わりも減り
- 環境は整ったままなのに
ネズミたちの社会は、
静かに終わりを迎えました。
これが、なぜ人間の話として語られるのか
この実験が今も語られるのは、
どこか 私たちの社会と重なる部分 があるからです。
- 物は足りている
- 危険は少ない
- 便利で安全
それなのに、
- なんとなく元気が出ない
- 人と関わるのがしんどい
- 自分の役割がわからない
そんな気持ちになること、ありませんか?
大切なのは「意味」や「役割」
カルフーンさんは、
この実験を通してこう考えました。
生き物には、
- 誰かの役に立つこと
- 任されること
- 挑戦すること
そういった 「社会の中での役割」 が
とても大切なのではないか、と。
子育ての視点で考えてみると
私たち親は、つい思ってしまいます。
- 失敗させたくない
- 困らせたくない
- できるだけ楽をさせてあげたい
でも、もしかしたら。
少しの不便や挑戦は、
子どもが
「自分は必要な存在なんだ」
と感じるための、大事な経験なのかもしれません。
忘れてはいけないこと
この実験は、
「人間も同じようになる」という話ではありません。
人は、
- 意味を見つけ直せる
- 役割を作り出せる
- 価値観を変えられる
だからこそこれは、
未来へのヒント として読む実験なのだと思います。
まとめ
満たされているだけでは、
心は満たされないこともある。
ネズミの楽園実験は、
便利で安全な時代に生きる私たちに、
「今、何に心を動かしていますか?」
と、やさしく問いかけてくれているように感じます。
↓YouTubeでこの実験を紹介する動画があるのでもっと詳しく知りたかったり、興味がある方は見てみてください。
【禁断のマウス実験】食料∞・病気や天敵ゼロなのに滅亡…楽園実験「ユニバース25」とは何か?【小学生でもわかる科学・ざっくり解説】
子供と見て、話し合ってみると面白いかもしれませんね(^^)


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