子どもが小学校に入ると、給食費・修学旅行費・遠足代・学用品費など、意外とこまごまとした出費が続きます。小学校の入学費用の記事で解説したとおり、学校に直接払うお金だけでも年間10万円前後かかります。
実はこうした費用を援助してくれる制度が、全国の市区町村に存在しています。
その名前が「就学援助制度」。ただ、学校側から積極的に案内されることはほとんどなく、知らないまま申請せずに終わっている家庭が非常に多いのが現状です。
就学援助制度とは
就学援助制度は、経済的な理由で学校にかかる費用の負担が大きい家庭に対して、市区町村が費用の一部または全額を援助する制度です。
根拠は学校教育法第19条で、国が定めた制度です。
対象は公立の小学校・中学校に通う児童・生徒の家庭。私立は対象外です。
何が援助されるのか
援助の対象となる費用は自治体によって異なりますが、多くの市区町村で以下が含まれています。
- 給食費
- 学用品費(ノート・鉛筆など)
- 通学用品費(雨具・靴など)
- 新入学学用品費(ランドセル・体操服など入学準備品)
- 校外活動費(遠足・校外学習)
- 修学旅行費
- クラブ活動費(自治体による)
- 卒業アルバム費(自治体による)
給食費だけでも年間約5〜6万円。修学旅行費も含めると、認定されれば年間で数万〜十数万円分の援助を受けられるケースがあります。
支給額の目安(国の補助単価より)
金額は自治体ごとに決められていますが、目安として国の補助単価(要保護世帯向け)を見ると、規模感がつかめます。
| 費目 | 小学校 | 中学校 |
|---|---|---|
| 新入学学用品費(入学準備金) | 約5万7,000円 | 約6万3,000円 |
| 学用品費(年額) | 約1万1,000円 | 約2万2,000円 |
| 給食費 | 実費相当 | |
| 修学旅行費 | 実費相当 | |
| 校外活動費(遠足など) | 約1,600円 | 約2,300円 |
※実際の金額・費目はお住まいの自治体の案内で確認してください。準要保護世帯への支給額は自治体が独自に設定しています。
特に大きいのが入学準備金(新入学学用品費)の約5万7,000円です。ランドセルや体操服など、入学前後の出費のかなりの部分をカバーできます。ランドセル代そのものを抑える方法は型落ち・アウトレットランドセルの記事で解説しています。
対象になるのはどんな家庭?
就学援助の対象は2種類あります。
- 要保護:生活保護を受けている家庭
- 準要保護:生活保護には至らないが、生活が困窮していると市区町村が認めた家庭
多くの人が「うちは関係ない」と思いがちですが、準要保護の認定基準は自治体によってかなり幅があります。生活保護基準の1.1〜1.5倍を目安にしている自治体が多く、年収ベースで見ると共働き世帯でも対象になるケースがあるのが実情です。
具体的な収入の目安は自治体によって異なるため、「自分には関係ない」と決めつける前に、一度お住まいの市区町村の基準を確認することをおすすめします。
申請しないともらえない、それだけが最大のデメリット
就学援助制度が利用されない最大の理由は、「申請しないと受けられない」からです。学校から入学時に配られるプリントに小さく書いてある、というケースはありますが、先生から個別に声をかけてもらえることはほぼありません。
また、審査があることへの心理的なハードルを感じる方もいますが、認定されても学校内でわかるような仕組みにはなっていません。給食費は口座から引き落とされなくなる形になるなど、他の保護者にわかる形での対応はされないよう配慮されています。
申請の流れ
- 在籍する学校の担任または事務室に申請書を依頼する
- 申請書に必要事項を記入(収入を証明する書類が必要な場合あり)
- 学校経由で市区町村の教育委員会に提出する
- 審査後、認定通知が届く
申請の受付時期は多くの自治体で年に1回・4月頃。年度途中に家計状況が変わった場合でも、随時申請を受け付けている自治体もあります。
入学前に申請できる自治体も増えている
以前は入学後にしか申請できなかったため、ランドセルや体操服などの入学準備品の購入には間に合わない、という問題がありました。
これを受けて文部科学省が2017年度から自治体に働きかけた結果、現在は入学前(2〜3月頃)に申請・支給できる自治体が増えています。入学準備でお金がかかる時期に先行して受け取れるため、活用できる場合は大きな助けになります。
入学前申請に対応しているかどうかは、お住まいの市区町村の教育委員会に確認してみてください。
よくある質問
Q. 児童手当や児童扶養手当と一緒にもらえますか?
もらえます。就学援助は児童手当・児童扶養手当・医療費助成などとは別の制度なので、併用できます。児童手当の最新の制度内容は児童手当の記事にまとめています。
Q. 年度の途中でも申請できますか?
多くの自治体で随時受け付けています。失業・病気・離婚などで家計が急に変わった場合は、次の4月を待たずに学校か教育委員会に相談してください(認定は申請月からになるのが一般的です)。
Q. 私立の小中学校でも使えますか?
就学援助は公立の小中学校が対象で、私立は基本的に対象外です(一部、独自の補助を設けている自治体もあります)。
Q. 認定されなかったらもう申請できませんか?
審査は年度ごとの所得で判断されるため、翌年度に再申請できます。前年より収入が下がった年は、改めて基準を確認する価値があります。
まとめ
就学援助制度は、知っている人だけが申請できる制度です。学校から案内が来ないから「うちには関係ない」ではなく、まず自分の自治体の認定基準を調べてみることが大切です。
- 市区町村の公式サイトで「就学援助」と検索する
- 認定基準(年収・住民税額の目安)を確認する
- 対象になりそうなら、学校の事務室に申請書を依頼する
教育費の不安は、使える制度を知ることで少し軽くなります。申請して損することはありません。まず調べることから始めてみてください。
小学校〜大学まで教育費が総額いくらかかるかは教育費はいくら?の記事で、入学時にかかるお金の内訳は小学校の入学費用の記事で詳しく解説しています。あわせて読むと、教育費の全体像がつかめます。
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