ある時期から、子どもが言い返してこなくなります。
話しかけても「べつに」。部屋にこもる時間が増え、一緒に出かけるのを嫌がるようになる。ケンカになるわけではないのに、明らかに距離ができていく——。
これが第二次反抗期(思春期)の始まりです。中間反抗期までとは、反抗の方向がまったく変わります。
この記事では、「ぶつかる」から「離れる」へ変わる理由と、この時期の親の役割を解説します。
思春期の反抗期の前には、5〜10歳ごろの「中間反抗期」があります。その時期の特徴を10項目で確認できる中間反抗期チェックリスト10項目もあわせてご覧ください。
第二次反抗期とは?いつから始まる
第二次反抗期とは、11・12歳ごろから始まる、親から精神的に自立していく過程で起きる反抗のことです。思春期と重なる時期なので「思春期の反抗期」とも呼ばれます。
いちばん大きな特徴は、反抗の方向が変わることです。
| これまでの反抗期 | 第二次反抗期 | |
|---|---|---|
| 方向 | 親にぶつかってくる | 親から離れていく |
| 言うこと | 「なんで?」「だって」 | 「べつに」「ほっといて」 |
| 求めていること | 自分で決めたい | 干渉されたくない |
| 親が感じること | 言い合いに疲れる | 嫌われたように感じる |
言い返してこないぶん、親は「もう話してくれない」「嫌われた」と感じます。でもこれは親が嫌いになったのではなく、自分の世界を作っている最中です。
なぜ「離れる」形になるのか
理由は3つあります。
① 自立には、距離が必要だから
親から独立した「自分」を作るには、いったん親と違う存在にならなければなりません。そのために、親の価値観や提案をいったん拒否します。
親の言うことに反射的に反対するのは、中身への反対ではなく「親と同じでいたくない」という作業だったりします。
② 体が急に変わるから
第二次性徴が本格化する時期です。自分の体が自分の知らないものに変わっていくのは、大人が思う以上に落ち着かない経験です。
その不安定さが、不機嫌や苛立ちとして出ます。本人にも理由が説明できないことが多いので、問い詰めても答えは返ってきません。
③ 友達との世界が中心になるから
小3〜小4のギャングエイジで始まった「友達中心」が、さらに強くなります。親に話さないのは、親より友達に話したいからという面があります。
この時期の親の役割は「見守る」に変わる
ここまでの反抗期は「受け止める」が中心でした。第二次反抗期からは「距離を取りつつ、いなくならない」が役割になります。
① 追いかけない。でも扉は開けておく
話さなくなったからといって、問い詰めないこと。代わりに「話したくなったら聞くよ」という姿勢を見せ続けます。
この時期の子どもは、いつでも戻れる場所があると分かっているから、安心して離れられます。
② 生活の接点だけは維持する
- ごはんは一緒に食べる(話さなくてもいい)
- 「おはよう」「おやすみ」は続ける
- 送り迎えの車など、目を合わせずに話せる場所を残す
会話がなくても、同じ空間にいる時間があるかどうかで、関係の質は変わります。
③ 一人の人として扱う
命令はもう通りません。説明する、意見を聞く、決めさせる。家のことを相談するのも効果的です。
「子ども扱いされること」が、この時期いちばんの反発ポイントになります。
④ 譲れない線は3つだけ残す
安全・健康・人を傷つけない。ここだけは譲らず、それ以外は任せます。全部に口を出すと、話せる関係のほうが先に壊れます。
やってはいけない4つ
- 秘密を無断で調べる——日記やスマホを勝手に見るのは、信頼を一度で壊します。心配なときは「見るよ」と先に伝えておく
- 友達を否定する——友達が世界の中心なので、否定されると親の言葉全体が届かなくなります
- 人前で叱る・体のことを話題にする——この時期は特に、恥をかかされた記憶が長く残ります
- 「昔はかわいかったのに」と言う——今の本人を否定する言葉になります
よくある質問
Q. いつまで続きますか?
数年続くことが多く、高校生の間にゆるやかに収まっていくのが一般的です。完全に終わるというより、親と対等に話せる関係へ移っていくイメージです。
Q. 反抗期がないまま来ました。大丈夫?
目立たないまま過ぎる子もいます。見ておきたいのは「反抗がない」のか「反抗できない空気になっている」のかだけです。親の前で本音や不満を言えているなら心配いりません。
Q. 小学生のうちから始まることもある?
あります。とくに女の子は体の変化が早い子が多く、小5・小6で入口に立つことも珍しくありません。小4前後の様子は10歳の反抗期の記事にまとめています。
Q. 心配したほうがいいのはどんなとき?
暴力や自傷、食事・睡眠の大きな乱れ、学校に行けない状態が続く場合は、担任・スクールカウンセラー・医療機関に相談してください(行き渋りへの対応)。反抗と落ち込みは別のサインです。
まとめ
- 第二次反抗期は11・12歳ごろから。反抗が「ぶつかる」から「離れる」へ変わる
- 親の言うことへの反対は、中身ではなく「親と同じでいたくない」という作業のことがある
- 親の役割は「距離を取りつつ、いなくならない」
- ごはん・あいさつ・車の中——生活の接点だけは維持する
- 秘密を無断で調べない。友達を否定しない
話してくれなくなるのは寂しいものです。でも安心して離れられるのは、戻れる場所があると知っているからでもあります。
3つの反抗期の全体像は反抗期はいつからいつまで?にまとめています。

コメント