夜中に「ママ、トイレ」と起こされる。朝は誰よりも早く起きてお弁当。子どもが寝たあとにやっと家事を片づけて、気づけば日付が変わっている。「眠い」がずっと続いているのに、「みんな同じだし」と、がまんしていませんか。
じつは、その眠さには研究の裏づけがあります。ドイツの親4,659人を調べた研究で、子どもが生まれてから6年たっても、親の睡眠は元に戻らないことがわかったのです。
先に結論です。
- 出産後3か月、母親の睡眠は妊娠前より約1時間短くなる
- 子どもが4〜6歳になっても、母親は約20分、父親は約15分、妊娠前より短いまま
- 収入が多くても、夫婦で子育てしていても、この差は変わらなかった。眠いのは、がんばりが足りないからではない
どんな研究?
イギリスのウォリック大学などの研究チームが、2019年に睡眠の専門誌で発表しました。
- だれを:ドイツで子どもが生まれた親4,659人
- どうやって:ドイツで毎年行われている大規模な家庭の調査をもとに、妊娠前から出産後6年まで、同じ人の睡眠時間と「よく眠れた満足度」を追いかけた
同じ人の「妊娠前」と「出産後」を比べているので、「もともと睡眠が短い人だった」という影響を除いて見られるのが、この研究の強みです。
わかったこと|母親の睡眠は、ここまで削られていた
| 時期 | 母親 | 父親 |
|---|---|---|
| 出産後3か月 | 約1時間短い | 約15分短い |
| 子どもが4〜6歳 | 約20分短い | 約15分短い |
※いずれも、妊娠前の本人の睡眠とくらべた差です。
注目したいのは、次の2点です。
- 睡眠の「時間」だけでなく「満足度」も戻らない:6年たっても、眠れたと感じる度合いが妊娠前の水準まで回復していませんでした
- お金や家族の形では防げなかった:収入が多い家庭でも、両親そろって子育てしている家庭でも、睡眠の減り方はほとんど変わりませんでした
研究チームは、親が眠れない理由として、夜中の授乳や夜泣きだけでなく、子育てにともなう責任や心配ごとが増えることも考えられるとしています。子どもが大きくなって夜中に起こされなくなっても、「明日の持ち物は?」「あの子、最近元気ないな」と、頭が休まらない。思い当たる人も多いのではないでしょうか。
「20分くらい」と思うかもしれないけれど
1日20分の差は、1週間で2時間20分、1か月でおよそ10時間です。それが何年も続きます。
しかも日本は、もともと睡眠が短い国です。経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本人の睡眠時間は加盟国の中で最も短い水準でした。そこに子育てと仕事が重なれば、共働きのママが毎日眠いのは、ある意味で当たり前のことなのです。
昼間にぼーっとする、イライラしやすい、子どもにきつく言ってしまう。それは性格のせいではなく、ずっと続いている寝不足のせいかもしれません。
眠いママが、今日からできること
「早く寝ましょう」と言われても、それができたら苦労はしませんよね。ここでは、忙しい毎日でもできることにしぼりました。
① 「子どもが寝たあとの家事」を1つ減らす
夜の家事は、睡眠時間をいちばん削る場所です。洗濯物はたたまずにかごへ、食器は朝に回す、明日の準備は子どもにやらせる。「今夜やらなくても困らないこと」を1つだけ見つけてみてください。それだけで15分は寝られます。
② 子どもと一緒に寝てしまう日をつくる
寝かしつけのまま一緒に寝てしまうと、「自分の時間がなくなった」と悔しくなることもありますよね。でも週に1〜2日は、「今日は一緒に寝る日」と最初から決めてしまうのも手です。罪悪感なく眠れます。
③ 「頭の中の心配ごと」を紙に出してから寝る
布団に入ってから「あれ、明日の集金……」と思い出すと、目がさえてしまいます。寝る前にメモに書き出して、頭の外に置いてから寝る。家族とアプリで予定を共有しておけば、覚えておく役を一人で背負わずにすみます。
④ 休日の朝は、交代で「寝ていい日」を
研究では父親の睡眠の減り方は母親より小さめでした。土曜はパパ、日曜はママ、のように交代で朝寝坊できる日をつくると、1週間の疲れが少し抜けやすくなります。
子どもの寝る時間が遅くて、親の時間がなくなっている家庭は、小学生が寝ない!就寝を30分早める5つの方法も参考にしてください。
ママ友に話すなら、この一言
「子どもが生まれてから6年たっても、親の睡眠って元に戻らないんだって。眠いのは気合いが足りないんじゃなくて、ふつうのことらしいよ」
「わかる〜」から、お互いの寝不足対策の話にもつながるはずです。
まとめ
- ドイツの親4,659人の研究で、出産後6年たっても親の睡眠は元に戻らないことがわかった
- 母親は出産後3か月で約1時間、4〜6年後も約20分、睡眠が短いまま
- 収入や家族の形では防げなかった。眠いのは、がんばりが足りないからではない
- 夜の家事を1つ減らす、一緒に寝る日をつくる、心配ごとを紙に出す、休日は交代で寝坊する
眠いのは、毎日子どもと家族のために動いている証拠です。今夜は家事をひとつ残して、少しだけ早く布団に入ってみませんか。
※参考:Richterほか(2019)「出産後の親の睡眠の長期的な変化」睡眠専門誌『スリープ』、英ウォリック大学のプレスリリース(2019年2月)、OECD「ジェンダー・データ・ポータル」の睡眠時間の国際比較。体調がすぐれない状態が続くときは、医師に相談してください。

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