「自主学習、今日なにやる?」「わかんない」——毎晩この会話になっていませんか。
小学3年生ごろから、宿題に「自主学習(自学)」が加わる学校が増えます。自由にやっていいと言われると、かえって手が止まるもの。結局、親がネタを考えることになり、毎晩それが小さなストレスになります。
この記事では、ネタに困らなくなる考え方と、小3向けのネタ30選、そして1ページをすんなり埋められる「型」を紹介します。
自主学習とは?何のためにやるのか
自主学習とは、学校から出される宿題とは別に、自分で「何を勉強するか」を決めてノートにまとめる学習のことです。学校によって「自学」「自学ノート」「家庭学習」などと呼び方が違います。
ここで押さえておきたいのは、自主学習の目的は、たくさん勉強することではないという点です。
自主学習でいちばん育てたいのは、「何をやるか自分で決める力」です。
ふだんの勉強は「やることが決まっている」ものばかりです。自主学習は、やることを自分で選ぶ練習。だから、親がネタを毎回決めてしまうと、いちばん大事な部分を親がやってしまうことになります。
ネタに困る本当の理由
毎晩ネタに困るのは、子どもの発想が乏しいからではありません。毎回、ゼロから考えているからです。
大人でも「今日の夕飯、何でもいいから考えて」と言われると困ります。でも「肉か魚か」「炒めるか煮るか」と型があると、すぐ決められます。自主学習も同じです。
解決策は2つです。
- ネタの「型」を持っておく——「今日は型の何番にする?」と選ぶだけにする
- ネタ帳を作っておく——思いついたときに書きためておき、困った日はそこから選ぶ
ネタに困らない「7つの型」
どんなネタも、だいたいこの7つのどれかに入ります。
| 型 | やること | こんな日に |
|---|---|---|
| ①ふりかえり | 今日の授業で習ったことをまとめる | いちばん簡単。迷ったらこれ |
| ②練習 | 漢字・計算・ローマ字を練習する | 疲れている日 |
| ③しらべる | 好きなこと・気になることを調べる | 時間がある日 |
| ④まとめる | 読んだ本・見たテレビの内容をまとめる | 読書好きの子に |
| ⑤くらべる | 2つのものの違いを表にする | 考える力をのばしたい日 |
| ⑥かんさつ | 植物・天気・月の形などを記録する | 続けて取り組みたいとき |
| ⑦つくる | 問題・クイズ・物語を自分でつくる | ネタが尽きたとき |
この表をノートの最初のページに貼っておくと、毎晩「今日は何番にする?」で済むようになります。
とくに⑦つくるは、ネタが尽きたときの切り札です。計算問題を自分で5問つくって解く、漢字クイズをつくる——問題をつくる側に回ると、理解していないとつくれないので、実はとても力がつきます。
小3向け自主学習ネタ30選
3年生から理科と社会が始まり、ネタの幅が一気に広がります。やったものに印をつけていくと、ネタ帳としても使えます。
国語
- ☐ ローマ字で自分の名前・家族の名前を書く
- ☐ 国語辞典で知らない言葉を5つ調べる
- ☐ ことわざを3つ調べて、意味と使い方を書く
- ☐ 同じ部首の漢字を集める(さんずい、きへん など)
- ☐ 反対の意味の言葉を10組集める
- ☐ 読んだ本のあらすじを3行でまとめる
- ☐ 短い詩をつくる
算数
- ☐ わり算の問題を自分で5問つくって解く
- ☐ 家にある物の重さをはかって表にする(g・kg)
- ☐ 家から学校までの長さを地図で調べる(m・km)
- ☐ 1日のスケジュールを時計の絵で表す
- ☐ 九九の表から、きまりを見つける
- ☐ 家族の好きな食べ物を聞いて、棒グラフにする
- ☐ チラシの値段で「1000円でどれだけ買えるか」計算する
理科
- ☐ こん虫の体のつくりを絵にかく(頭・胸・腹、足は6本)
- ☐ 朝・昼・夕方の影の長さと向きを比べる
- ☐ 家の中で磁石につく物・つかない物を調べる
- ☐ 1週間、月の形を観察して記録する
- ☐ 野菜の種をくらべる(大きさ・形・色)
- ☐ 好きな動物について調べて1ページにまとめる
社会
- ☐ 地図記号を10個かいて、意味を書く
- ☐ 家のまわりの地図をかく(お店・公園・学校)
- ☐ 昔の道具と今の道具をくらべる(洗濯板と洗濯機など)
- ☐ スーパーで、野菜がどこの県から来ているか調べる
- ☐ 自分の住んでいる市の「自まん」を3つ調べる
そのほか(教科にしばられないネタ)
- ☐ 「なぜ?」と思ったことを1つ調べる
- ☐ お手伝いでつくった料理の材料と手順を書く
- ☐ 気になったニュースを1つ選んで、思ったことを書く
- ☐ 都道府県を1つ選んで、名物と場所を調べる
- ☐ 自分でクイズを5問つくる(家族に出す)
1ページが埋まる「型」
ネタが決まっても、何をどう書けばいいか分からないと手が止まります。ページの使い方も型にしてしまいましょう。
| 順番 | 書くこと | 例(ことわざの場合) |
|---|---|---|
| ① | 日付とタイトル | 10月11日「ことわざを調べよう」 |
| ② | めあて(何をする?) | 動物が出てくることわざを3つ調べる |
| ③ | 調べたこと・やったこと | 「猫の手も借りたい」など3つと意味 |
| ④ | わかったこと・ふしぎに思ったこと | 動物の性格がことわざになっている |
| ⑤ | ひとこと感想・次にやりたいこと | 次は植物のことわざも調べたい |
⑤の「次にやりたいこと」がポイントです。ここを毎回書いておくと、次の日のネタが自動的に決まります。ネタ切れを防ぐいちばん簡単な方法です。
好きなことに没頭する子は、自主学習に強い
ふだん「好きなことしかしない」と心配されがちな子ほど、実は自主学習が得意になりやすいです。
自主学習はテーマを自分で選んでいい勉強です。恐竜が好きなら恐竜、宇宙が好きなら宇宙。好きなことなら、言われなくても調べたくなります。没頭できる力が、そのまま自主学習の力になるのです。
読書が好きな子なら、読んだ本をまとめるだけで立派な自主学習になります。登場人物の関係図をかく、好きな場面を絵にする、続きを自分で考える——どれも1ページになります。
没頭する子との付き合い方は「好きなことしかしない」子は大丈夫?、本好きの子のあるあるは読書好きの子あるある15選にまとめています。
このブログの記事も、ネタの種になります
子どもと一緒に読める記事は、そのまま自主学習のテーマにできます。
- 社会の「昔のくらし」に→江戸時代の子どもの暮らし/明治時代の子ども
- 理科の「なぜ?」に→食べ物はなぜ腐るの?/地球46億年を1年にすると
- 「くらべる」の型に→世界と比べた日本の学校のふしぎ
続けるための5つのコツ
- 時間を決める——15〜20分と決めて、タイマーを使う。だらだら1時間かかるのを防げます
- 親はネタを出さず、質問する——「最近なにが面白かった?」「今日の授業で何習った?」と聞くと、子どもの中からネタが出てきます
- ネタ帳をつくる——ノートの最後のページを「やりたいことリスト」にして、思いついたら書く
- 疲れた日は「ふりかえり」か「練習」でいい——毎日すごい内容である必要はありません
- 中身をほめる——字のきれいさより「これ面白いね」「よく調べたね」と、内容に反応する
やらないほうがいい3つ
- 親が毎回ネタを決める——その場は早く終わりますが、「自分で決める練習」が親の仕事になってしまいます
- 図鑑や教科書を丸写しさせる——ページは埋まっても、考える部分がなくなります。「わかったこと」を自分の言葉で1行書くだけで変わります
- 量や見た目を競わせる——カラフルで凝ったノートは素敵ですが、それが負担になって続かなくなるなら本末転倒です
よくある質問
Q. 毎日やらないといけませんか?
頻度や量は学校によって違います。毎日1ページの学校もあれば、週に数回の学校もあります。担任の先生の方針を確認して、家庭で無理のない形にしてください。
Q. 1時間以上かかってしまいます
ネタ選びで時間を使っていることが多いです。「7つの型」から選ぶだけにすると、始めるまでの時間がぐっと短くなります。宿題全体が進まないときの仕組みづくりは宿題をやらない子への対応もどうぞ。
Q. 調べるのにタブレットやネットを使ってもいい?
使っていいかは学校の方針によりますが、調べ方を学ぶいい機会でもあります。ただしそのまま書き写すのではなく、自分の言葉でまとめるのがルールです。子どもに使わせるときの見守り設定はファミリーリンクの設定方法にまとめています。
Q. 勉強が急に難しくなって、自主学習どころではありません
3〜4年生は、勉強の内容が「目に見えるもの」から「考えるもの」へ変わる時期です(9歳の壁)。そんなときは「ふりかえり」の型で、今日の授業の分からなかったところを書くだけでも立派な自主学習です。
まとめ
- 自主学習の目的は「何をやるか自分で決める力」を育てること
- ネタに困るのは毎回ゼロから考えているから。7つの型から選ぶだけにする
- ページはめあて→調べたこと→わかったこと→次にやりたいことの型で
- 「次にやりたいこと」を毎回書くと、翌日のネタが決まる
- 好きなことに没頭する子ほど、自主学習は得意になりやすい
毎晩「何やる?」と聞くのは、親にとっても負担です。型とネタ帳さえあれば、その質問は「何番にする?」に変わります。そしていつか、子どもの方から「今日はこれ調べたい」と言い出す日が来ます。それが、自主学習がうまくいっているいちばんのサインです。
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